かつらの修繕



かつらを購入して1年ほどすると,修理の必要が出てきた。
修理の話をする前に,かつらの構造の話をしておく必要がある。

かつら全体は黒いネットでできており,そこに毛が結びつけられている。
しかし,それでは分け目やつむじでは、かつらのネットが見えてしまう。
ネットは太いヒモで出来ているから,そんな人工的なものが見えたらアウトである。

そこで,つむじや分け目は見えてもいいように人工皮膚がつけてある。
肌色のビニールみたいなものだ。色はまったく自然で,これなら分け目が見えてもだいじょうぶだ。

しかし,問題が1つある。
この人工皮膚に植えてある毛は,上から差してあるだけで,結んであるわけではない。つまり強く引っ張ると抜けてくるのだ。
これは店も強調していた。
「人工皮膚の部分はぜったい引っ張らないで下さいね」
しかし,丁寧に取り扱っていても,1年経つ頃には分け目がずいぶん寂しくなった。これではなんのための,かつらかわからない。

他はふさふさなのにそこだけ寂しいというのは不自然である。
かつらを修理するには1ヶ月以上店に預けないといけない。
その間のために、カツラをもう1つ買わないといけないのだ。30万円なり。
ちなみに,修理は3万円だった。